- スーパーで購入できる小ぶりなマキヴニク
- クリスマスには各家庭で焼かれます
「マキヴニク」
クリスマスを祝うケシの実のパンウクライナでパンやスイーツを食べようとすると頻繁に目にするのが、プチプチ食感の黒い粒。これは「ポピーシード」、いわゆるケシの実です。ウクライナのケシの実は黒くて見慣れないかもしれませんが、日本でも白いケシの実があんパンなどにトッピングされていたりするので、食べたことがある方も多いはず。ケシの実は「ポピー」という春に咲く花の種で、地中海や西アジアが原産と言われています。ゴマに近い風味がありますが、実は世界一小さいスパイス。善玉コレステロールを増やすオレイン酸や食物繊維が豊富に含まれている、栄養価の高い食品なんです。
ウクライナには、コンデンスミルクとバターを使った伝統的なクラッカーや、小麦、くるみ、砂糖、はちみつをミックスしたクリスマスのデザート「クチャ」など、ケシの実を使ったスイーツがたくさんあります。
なかでも、昔からクリスマスの時期に各家庭で焼かれている「マキヴニク」というロールパンは、特に大量のケシの実が使われており、ケシの実スイーツを代表する存在と言えるかもしれません。クリスマス以外だとイースターや8月の聖母就寝祭といったお祝いのときに焼かれる特別なスイーツで、調理に大変な手間がかかるのですが、最近はスーパーなどで購入することもできます。私も買ったものを朝ごはんとして食べることがありました。
マキヴニクは中に黒いケシの実が詰まっているため、パッと見はあんパンのよう。ふわふわの生地で、ケシの実の独特な歯触りと香ばしいスパイス感があります。バターの香りも相まって、食欲が増進されてしまいました。
クリスマスにマキヴニクを食べるときは、「リャージャンカ」をお供にすると教えてもらいました。リャージャンカは酸味が強い液状のヨーグルトで、2時間ほどオーブンで焼いてキャラメル色になったものを飲むのだそうです。甘いマキヴニクと、ほどよい酸味のリャージャンカの組み合わせ。とってもおいしそうですね!