このコンテンツでは、不二家ファミリー文化研究所が独自に行った、さまざまなアンケート調査の結果を、毎月皆さんにお届けしています。
今回不二家ファミリー文化研究所が行ったのは、中学生までのお子様がいる全国の20代~40代の既婚女性200名を対象とした「家族(子ども)」に関するアンケート。
第18回は、「子どもの将来」についてお届けします。

「就職・仕事」と「ケガや病気」がほぼ同数で1位、2位に
まずは、子どもの将来についての心配事を聞いてみました。
「就職・仕事」という回答が37%と比率的には1番多いものの、「ケガや病気」もほぼ同数の36%と、多くの票を集めています。
なぜこちらの回答を選択したのか、詳しく聞いてみましたのでご紹介します。
【就職・仕事】
ちゃんと就職して、安定した生活を送れるか心配
1番心配なことを「仕事・就職」と挙げた方からは、「仕事に就いてしっかりと生活していけるかどうか心配」という意見が多く見受けられました。
男児のママからは「男の子なので安定した職を……」という声が挙がる一方で、女児のママからは、「男性に頼らなくても生きていけるように」という意見もあり、現代のママたちは、子どもの性別問わず、将来自立して安定した生活を送れるかどうかを心配しているようです。
※( )内 回答者の年齢
【就職、仕事】37%
・仕事によって人生が大きく変わると思うので。(37歳)
・自分のしたい仕事につけるかどうか。(44歳)
・将来、どんな社会になっているか想像つかないため、子どもたちが就職して自立できるのか心配。(39歳)
・就職先もそうですが、人間関係なども心配。(45歳)
・将来が心配。何かあっても良いように仕事は絶対続けてほしい。(46歳)
・就職によって、将来の経済面や結婚にも影響が出てくるから。(47歳)
・バブル後のように、時代の大きな流れの中で、個人の努力ではどうにもならない場合もあることを知っている。(45歳)
・好きな仕事が見つけられるか。(42歳)
・正社員として、安定した職に就けるのか。(43歳)
・子どもにはなりたい職業があって、その夢が実現できるか心配。(36歳)
・努力をすることが苦手なので、就職活動や就職してからも心配。(34歳)
・氷河期、ブラック企業、サービス残業とか負の言葉が溢れているから。(36歳)
・このご時世、資格がなく就職するのは相当困難だと予想されるため。(38歳)
・男に頼らなくてもやっていける女性に育ってほしいから。(39歳)
・男の子なので安定した職業についてほしいです。(39歳)
・ちゃんと就職して自分の稼ぎで食べていけないと困るから。ニートは困ります。(39歳)
・勉強が得意ではない。やりたいことがまだ見つかっていない。(36歳)
・おっとりした子なので、将来しっかり働けるのか心配。(32歳)
【ケガや病気】
突然のケガや病気、災害・犯罪被害・事故など…
「ケガや病気」を選ばれた方は、持病や不規則な生活習慣などから起こりうる病気を心配する声だけではなく、事故や災害によるケガについても心配という意見をたくさんいただきました。
子どもには、いつまでも元気で健康的な笑顔を見せていてもらいたいものですよね。
※( )内 回答者の年齢
【ケガや病気】36%
・少食で、あまり食べないから。(42歳)
・喘息持ちだから。ぶり返さないか心配。(37歳)
・うちはがん家系なので。(29歳)
・交通事故など、日常的に心配だから。(29歳)
・体が万全でないと何もできない。健康が第一だから。(34歳)
・健康であれば何とかなる。ケガや病気は本人が一番つらいと思うから。(45歳)
・病気予防は最大限して防ぎたいですが、物騒な世の中の犯罪の多さによるケガや、いつ起こるかわからない自然災害の影響が心配です。(25歳)
・自分で抑制するのが特に苦手な子なので、自分で体調コントロールできるようになると良いな、と親は思います。健康管理ができれば、さまざまなことはやる気の問題でどうにかなる場合が多いと思います。(46歳)
・空気が悪いし、温暖化で色々なウィルスが発生しそう。(37歳)
・自分より長生きしてもらいたい。(40歳)
【その他】
経済面や結婚、人間関係など、心配なことはさまざま
その他の回答では、「経済面」や「結婚」、「人間関係」などが心配という意見も多数いただきましたので、ご紹介します。
※( )内 子どもの将来について一番心配なこと/回答者の年齢
【その他】
・大学受験も心配だし、さらに就職先も心配なのだが、やはり最終的には経済的に問題なく暮らせることが大事だと思うから。(経済面/43歳)
・仕事があっても収入が少ないと苦労すると思うので。(経済面/48歳)
・経済的余裕がないので、教育費をかけられないし、残してあげられないこと。(経済面/42歳)
・こちらが援助できそうにないから。(経済面/36歳)
・やはり、お金がないと可能性もなくなる。(経済面/36歳)
・お金に関してあまり教育してないと思うので、ちゃんとした経済観念ができるのか心配です。(経済面/34歳)
・超高齢化で大変な世の中になるだろうから。(経済面/48歳)
・景気が悪い状態が続いているので、働いてもちゃんと暮らしていけるのか経済面が心配です。本人の努力ではどうにもならないことも多いので。(経済面/37歳)
・どんな相手を選んでくるかが心配。(結婚/40歳)
・今でも晩婚化と言われているから。(結婚/38歳)
・不器用なところがあるから。(その他:人間関係/44歳)
・優しい子なので、成長とともに陰湿ないじめにあわないか心配です。(その他:いじめ/42歳)

親の希望として子どもに就いてほしい職業は「ない」が約8割と多数
子どもに就いてほしい職業があるか聞いてみたところ、「ある」と回答された方は21%に留まり、「ない」と回答された方が77%と、大多数を占める結果となりました。
前問で「子どもの就職が心配」と回答された方が多数いらっしゃいましたが、具体的な職業についての希望はないという方が多いようです。
それぞれの回答理由も聞きましたので紹介します。
【親の希望として子どもに就いてほしい職業がある】
公務員=安定のイメージ多し!!
お子さんに就いてほしい職業がある方に理由を聞いたところ、具体的な職業を挙げた方は少ないものの「安定した仕事に就いてほしい」という回答と並列して、「公務員」を挙げられた方が多数見受けられました。生活の基盤が安定していれば、ゆとりのある幸せな人生が送れるのではないかと考える親心がうかがえます。
※( )内 回答者の年齢
【ある】21%
・公務員。安定した収入があり、育児休暇などがあるから。(37歳)
・公務員。安定していて、結婚相手もいい人に職場で出会えそう。(40歳)
・公務員や保育士さん。安定のある仕事してほしい。(42歳)
・国家公務員、または財政の状態が良好な自治体の地方公務員。安定しているから。(48歳)
・安定した公務員など。倒産がなく、不況なども関係ないから。(33歳)
・安定していれば良い。希望は公務員。安定しているから。近くに居てくれる。(44歳)
・医師。自分の体のことを管理できるように。また人の役に立つように。(37歳)
・医師、研究者。経済的社会的に認められた職業だから。(41歳)
・医療関係者または公務員。高齢化が進み、医療の需要はなくならないと思う。公務員はある程度安定しているから。(43歳)
・医者。これ以上やりがいのある仕事はない。収入が良い、定年がない。(39歳)
・看護師、警察官。人の役に立つ。責任感、正義感がある。(47歳)
・薬剤師。収入も良いし、転職するにも困らなそうだから。(39歳)
・警察、看護師。安定しているから。(29歳)
・大学教授。安定していて、激務ではなさそう。(39歳)
・学校の先生。自分がなりたかったので。(43歳)
・美容師、看護師。勉強よりもファッションなどの感性が豊かだと思うので。まじめな優しい子なので看護師さんが合っていそう。(33歳)
・パティシエ。子どもが作ったスイーツが食べたいので。(29歳)
・消防士。人から感謝される職業だと思うから。(39歳)
・建築士。物を作る仕事をしてほしいから。(40歳)
・弁護士。ああ言えばこう言うで、口が達者だから。(47歳)
・研究者。父親がそうだから。(42歳)
・資格が必要な職。自分が何も資格を取っていなかったことを後悔したから。(36歳)
・何かの技術がいる仕事。技術を身に付けて、何があっても食べていけるようになってほしい。(43歳)
・具体的な職業はないが自分に向いているもの。できれば資格の必要な職業。資格を持っていれば女の子は特に子育てが落ち着いた時の再就職がしやすいし、自分にとって就職する時に強みになる。(43歳)
・どんな分野でも貢献することに誇りを持てる職業。挫折しそうになったピンチな状況になってしまった時でも、やりがいや生き甲斐を感じられることがピンチをチャンスに変え、バネになると思うからです。(25歳)
・人を幸せにしたり助けたりする仕事。世の中に役に立つような人になって色々な人を助けてほしい。優しさと辛抱強さを両方持っているので。(35歳)
【親の希望として子どもに就いてほしい職業がない】
子どもの望む職業に
お子さんに就いてほしい職業がない方は、「子どものなりたい職業で良い」「子どもが選ぶこと」といったご意見が多く、本人の意思を尊重、応援している方が多数派のようです。希望した仕事に就くことで「充実した毎日を送れそう」「多少の困難に直面しても乗り越えられるのでは」と考えていらっしゃるようです。
※( )内 回答者の年齢
【ない】78%
・子どもが好きな仕事。その仕事が好きで、自ら望んで長く続けられるなら何でも良い。(24歳)
・特にありません。子ども自身に任せたいと思っています。一昔前のように会社員や公務員が安定していると言いにくくなってきているので、子どもがやりたいという職業で食べていけたら良いなと思っています。(39歳)
・子どもがなりたいと思っている職業で良い。好きな仕事をするのが一番だから。(42歳)
・宮大工今のところ夢だそうなので夢をかなえられたらいいなと思っています。(34歳)
・子どもが選ぶことなので、何になってほしいなど考えたことがない。(42歳)
・特になし。子ども自身がまだ何になりたいか決まっていないから。子どもの意思を尊重したいので、なりたい職業が決まったらそれを応援したいと思う。(43歳)
・特になし。子どもがなりたいと思う職業につければ、それで満足です。(33歳)
・子どもがパティシエにずっとなりたい職業だと言っているから。(38歳)
・特にないです。子どもも一個人なので、やりたいことをやれればいいかなと思いますが、あまり道はそれないでほしいです。(28歳)
・子どもがなりたい仕事。私はそれで生活していけるのであれば、何の仕事でも良いと思っている。(37歳)
・子どもが楽しんでできるなら何でも良い。自分が就職した時は嫌いな仕事で楽しいというより、生活のためだけに働いていたのがとても嫌だった。(43歳)
・特にない。自分で決めた職業で充実した日々を送ってほしい。(40歳)
・自分のやりたいことをしてほしい。自分のやりたいことなら、多少辛くても続けられると思うから。(49歳)
・特にない。自分のやりたいことを自分で見つけてほしい。(40歳)
・特になし。親が子どもの職業を決めるなんて、一般庶民の自分は考えたこともないです。(29歳)
・特にない。よほどの仕事でない限り、子どもがやりたいことを尊重する。親の意見を押し付けたくない。(31歳)
・子どもの望む職業。納得して仕事をしてほしいから(43歳)
・本人が希望しているから管制官。(42歳)
・やりたいことをやってほしい。本人が幸せならば何でも良い。(46歳)
・ありません。本人の望むもの。本人の人生ですから、人様に迷惑をかけないのなら何でも。(46歳)
・好きな分野で活躍してほしい。第一子は気象予報士が夢なのでそれに近い仕事であれば良い。満足いく生活を送ってほしいから。(39歳)
・個人の自由なのでなりたいものになってほしい。なりたいものを応援したいから。(29歳)
・特になし。自分がやりたいことをやらせてあげたい。好きじゃないことは長続きしないから。(39歳)
・今のところ特にない。子どもが納得できる職なら何でもいいと思う今は親の意見に左右されているが、そのくらいの年齢になった時には、自分で自分のことをきちんと決めてほしいし、子どもの意思を尊重したいから。(37歳)
今回は「子どもの将来」についてどのように考えているかを調査しました。
将来の「就職・仕事」や「ケガや病気」などを心配しながらも、子どもが希望する仕事に就けるように見守る、という意見が多数派のようです。
「子どもの将来」という大きなテーマということもあって、今回の調査では特に、お子さんを大切に想う気持ちがひしひしと伝わってきました。
「好きな職業に就いてほしい」という意見と「公務員のような安定した職業についてほしい」という意見は正反対のように見えますが、「充実した人生を送ってほしい」という共通の願いが込められていように感じられました。
次回は、「子どもとの会話」についてお届けします。お楽しみに。