このコンテンツでは、不二家ファミリー文化研究所が独自に行った、さまざまなアンケート調査の結果を、毎月皆さんにお届けしています。
今回不二家ファミリー文化研究所が行ったのは、中学生までのお子様がいる全国の20代〜40代の既婚女性200名を対象とした「家族で過ごす日本の季節と文化」に関するアンケート。
季節に応じた日本のさまざまな行事や習わしについて、今のご家庭のイベント事情をお届けします。
第5回のテーマは、「十五夜」です。

●「十五夜」という言葉から思い浮かぶものがある方は、なんと9割以上!
最初に、「十五夜」と聞いて思い浮かぶものがあるか聞いてみたところ、「ある」と回答した方が92%と大多数を占めました。

●「十五夜」という言葉から思い浮かべるのは、「月・満月」と「団子」
前の質問で十五夜と聞いて思い浮かぶものが「ある」と答えた方に、具体的にどんなことを思い浮かべたのか、複数回答で聞いてみました。
「月・満月」(159票)、「団子」(158票)がほぼ同数で、大変多くの票を集めました。また、「月見」(126票)、「すすき」(117票)、「うさぎ」(105票)という回答も半数以上の方から挙がっており、皆さんの中にある「十五夜」のイメージは概ね同じようです。

●「十五夜」に関連したことを体験したことがある方は、全体の55%
次に、幼少期を含めてこれまでに「十五夜」に関連したことを体験したことがあるか聞いてみたところ、体験したことが「ある」と答えた方は全体の55%に留まりました。
「十五夜」の知名度は高いものの、実際に体験したことがある方はそれほど多くないようですね。

●「十五夜」の日には月を見上げる
前問で「十五夜」に関することを体験したことが「ある」と回答した方に、具体的にどのようなことをしたのか、複数回答で聞いてみました。
最も多かったのは、お手軽ながら十五夜の醍醐味でもある「月を見上げた」(86票)という回答でした。
次に多くの票を集めたのは、「すすきを飾った」(50票)、「お団子を飾った」(47票)、「お団子を作った」(43票)といった、飾り物に関する回答でした。

●子どもの頃は両親や祖父母と楽しみ、結婚後は子どもや家族と楽しんでいる
今度は「十五夜」に関することを体験したことが「ある」と回答した方に、いつ、誰と、どのように「十五夜」を楽しんだのかを詳しく教えていただきました。
「子どもの頃に両親や祖父母と用意した」と回答した方と、「(結婚後に)自分で用意して、子どもや家族と楽しんだ」と回答した方の数はおおよそ半々。どちらもかけがえのない、素敵な思い出ですね。
※( )内 都道府県名/回答者の年齢
【子どもの頃に両親や祖父母と】
・いつも母がお団子などを用意して、すすきは何度か一緒に探しに行った。(青森/47歳)
・子どもの頃、母親と団子を上新粉で作った。(千葉/47歳)
・実家で母が、月が見える窓辺に団子を飾った。(秋田/42歳)
・母が作ったお団子・すすき・果物を窓際に飾り、月を見てから食べた。(神奈川/44歳)
・祖父母と一緒にお団子を作った。(三重/48歳)
・いつも母が自分で団子を作ります。普通にお皿に乗せるだけです。(香川/48歳)
・小さい頃は母がすすきを山に取りに行き、おばあちゃんが白玉団子を作って縁側に飾っていた。(大阪/43歳)
・実家では実母がすすきを飾っていた。(北海道/45歳)
・母と家でお団子を作って、部屋にすすきや秋の花と一緒に飾ってお月見をした。東京なので実際に月は見えなかった。(東京/47歳)
・母親がすすきを買ってきてお団子を作ってくれた。(愛知/38歳)
・実家の仏壇にお団子や果物などを飾りました。(岐阜/39歳)
・母や自分が作ったり買ったり、すすきをとってきたりした。(神奈川/40歳)
・小さい頃、母親と一緒に家で団子を作った。(徳島/38歳)
・いつも母がやっていた。(青森/38歳)
・親が団子を作り、すすきを飾っていた。(群馬/36歳)
・親が花瓶にすすきを飾っていた。団子を買ってきていた。(青森/32歳)
・父親がベランダに毎年団子とすすきをセッティングしてくれていた。(北海道/33歳)
・祖母が自宅で団子の粉をこねて作っていました。(千葉/39歳)
・幼少の頃、母と河原にすすきを取りに行った。(栃木/29歳)
・母が居間の窓辺に飾っていた。(山梨/35歳)
・私の親が飾っていたのを覚えている。(埼玉/39歳)
・祖母が団子を手作りしていた。(東京/28歳)
【結婚後に子どもや家族と】
・子どもと一緒にすすきを取りに行った。(島根/44歳)
・子どもとお団子を作ったり、土手にすすきを取りに行く。(群馬/43歳)
・お団子をスーパーで買って、家族で食べた。子どもと月が見える窓から空を眺めた。(北海道/41歳)
・結婚してからお団子を買って食べるようにしている。(神奈川/42歳)
・私が団子を作って家族で食べた。(神奈川/44歳)
・団子の専門店で買って、家族で食べました。(宮崎/39歳)
・自分でお供え分と子どもたちが食べる分の団子を作った。(東京/39歳)
・白玉団子を作ったりもしたけれど、子どもの年齢によっては月見鈴カステラにしたり、月見クッキーにしたり、丸いものをお月見のお供えっぽく飾って雰囲気を出して、おやつにした。(神奈川/39歳)
・子どもたちと白玉で作ったものを窓際に供えた。(栃木/32歳)
・自分と子どもでお団子を作り、お月見しながら食べた。(神奈川/39歳)
・未就園児が集まる施設の「お月見団子を作ろう」というイベントに参加して、お団子作りを親子で体験した。(山口/38歳)
・子どもと一緒に団子を作った。(兵庫/30歳)
・家のベランダで、子どもと2人で月を見ながら団子を食べた。(大阪/37歳)
・子どもたちと一緒にリビングの窓にすすきを飾り、月を見ながら団子を食べた。(兵庫/36歳)
・子どもと一緒に白玉粉で団子を作った。(神奈川/32歳)
・私がすすきを飾り、団子を買った。夕食後に外に出て、家族で月を見ながら団子を食べた。(広島/38歳)
・月が見えるところに買って来たお団子を置いて月を見て、そのあと子どもたちといただきました。(滋賀/39歳)
・子どもと一緒にお月見団子を作りました。近所のおばあちゃんの家に持って行ったら、代わりにすすきをくれたので部屋に飾りました。(千葉/35歳)
・子どもと一緒にお団子を作り、窓辺に飾って、月を見上げました。(千葉/39歳)
・私が幼少期の時、母と一緒に家でお団子を作り、近くの川の土手ですすきを取って飾った。今は息子や娘と予定が合えば(習い事がなかったり早く学校から帰ったりした時)お団子を作ります。(静岡/42歳)
●お月見団子の色や、形はさまざま
最後に、ご家庭や縁のある地域で食べられている「十五夜」の団子の形と飾り方について、聞いてみました。
団子の形で最も多かったのはオーソドックスな「白くて丸い団子」という回答でしたが、同じような見た目ながら、「丸めて真ん中を少しへこませてから茹でる。(徳島/38歳)」や「白玉団子の中にあんこを入れたもの。(千葉/35歳)」など、ちょっとした違いがあることがわかりました。
実家が神戸という方からは「楕円のお団子にこしあんの帯のようなものが巻いてあり、雲をイメージしているようでした。(神奈川/49歳)」という回答をいただきました。この形は主に西日本で見られるようで、「里芋」を模しているとも言われているようです。
滋賀県の方からは「涙型のような形で売られているお店がある。(滋賀/39歳)」という回答がありました。隣県の愛知県の名古屋辺りでは、涙(しずく)形の三色(白・茶・ピンク)のういろうのような月見団子を食べているようですが、滋賀でも同じようなものが食べられているのかもしれませんね。
その他、静岡県の方からは「白玉団子の真ん中をへこませたへそ団子。(静岡/42歳)」という回答をいただいています。
地域や各家庭によって、十五夜に食べられている月見団子は、さまざまな色や、形があるのですね。
※( )内 都道府県名/回答者の年齢
【丸い団子】
・白くて丸い団子を飾る。(秋田/42歳)
・丸い団子をピラミッドのように積む。(岩手/47歳)
・丸で、さらに普通に盛るだけです。(香川/48歳)
・団子は丸い。特に変わった決まりはない。(東京/44歳)
・普通にスーパーなどで売っている団子を購入する。団子の形は丸。(三重/36歳)
・白い普通のお団子を山の形に飾ります。(岐阜/39歳)
・市販の団子の粉を使って、丸めて真ん中を少しへこませてから茹でる。(徳島/38歳)
・白玉団子の中にあんこを入れたものを作り、積み重ねて飾ります。(千葉/35歳)
【丸以外の団子】
・白玉団子の真ん中をへこませたへそ団子。(静岡/42歳)
・お団子は丸ではなくて、涙型のような形で売られているお店がある。(滋賀/39歳)
・普通の大福だった。なんでも仏壇に供えるので、スーパーから買ってきてパックに入ったままのものをそのまま供えていた。(青森/32歳)
・ピンク色と白色の三角のお団子。(北海道/45歳)
・実家の神戸のお団子は楕円のお団子にこしあんの帯のようなものが巻いてあり、雲をイメージしているようでした。関東(横浜)にくると絵にかいたような真ん丸なお団子をピラミッド状に積み上げていました。(神奈川/49歳)
今回の調査では、「十五夜」の認知度は高いものの、実際に経験したことがある方は半数強と決して多くないことが分かりました。
2017年の「十五夜」は10月4日です。
すすきや団子を飾った窓辺でゆったりと月を眺める、今年はそんな贅沢な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
次回は「ハロウィン」についてお届けします。お楽しみに。