このコンテンツでは、不二家ファミリー文化研究所が独自に行った、さまざまなアンケート調査の結果を、毎月皆さんにお届けしています。
今回不二家ファミリー文化研究所が行ったのは、中学生までのお子様がいる全国の20代〜40代の既婚女性210名を対象とした「家族と日々の暮らし」に関するアンケート。日々の暮らしから見える「家族への想い」や「家族の絆」、ちょっとした「生活文化」などを調査結果とともにご紹介していきます。
第11回は、「卒業」についてです。

最初に、みなさんに「小学校や中学校の卒業式で何か歌いましたか?」と質問してみたところ、「はい」82%、「いいえ」2%、「覚えていない」16%と卒業式に歌を歌った方がとても多いことがわかりました。

続いて、小学校や中学校の卒業式で歌を歌った方に「小学校や中学校の卒業式で何を歌いましたか?」と質問してみたところ、1番多かった回答は「仰げば尊し」(118票)で、以下「蛍の光」(67票)、「旅立ちの日に」(57票)が続きました。

回答いただいた曲名を年代別に集計してみたところ、30代・40代で「仰げば尊し」が1位なのに対し、20代では「旅立ちの日に」が1位を獲得するという結果になりました。この「旅立ちの日に」という曲は、1991年に埼玉県にある中学校の先生によって作られた曲なのだそうです。たった1校で歌われていた曲が全国に広まるなんて、すごいことですね。

次に、「子どもは卒園式や卒業式で何を歌いましたか?」と質問してみたところ、最も多かった回答は20代と同じ「旅立ちの日に」(28票)、1票差で「おもいでのアルバム」(27票)が続きました。「おもいでのアルバム」はお母さん世代が子どもの頃からある有名な童謡ですが、今も卒園式や卒業式の定番曲のようです。

「あなたの卒業式と子どもの卒業式で違う点はありましたか? 」と聞いてみたところ、「はい」と回答した方が24%に留まったのに対し、「いいえ」と回答した方は41%でした。

前問で、自身と子どもの卒業式に違いがあったと回答した方に、具体的に違っていた点について聞いてみたところ、最も多かったのは「歌」が違った、という意見でした。昔ながらの卒業式の曲ではなく、流行しているポップな曲が選ばれるようになってきているようです。
子どもの「服装」についての意見も複数いただいており、中でも袴を着ている女の子の姿が見受けられるという回答が印象的でした。
※( )内 回答者の年齢
【歌が違う】
・選曲や雰囲気がずいぶん親しみやすいものになった。自分の時の歌も格式があって好きだったが。(41歳)
・歌が違っていて、全体的にポップでした。送る会の延長みたい。(43歳)
・最近は「仰げは尊し」を歌わないようなので驚いた。(41歳)
・歌が古臭い感じではなく、今時だなーと感じました。(30歳)
・「Believe」という曲は知らなかった。(33歳)
・手話をしながら歌っていた。(39歳)
・今は歌をたくさん歌う。(33歳)
・最近の流行りの歌を歌う。(38歳)
【服装が違う】
・今の小学校の卒業式はまるで大学のように羽織袴で派手な子がいる。年々派手さが増してきている気がする。(44歳)
・みんなかわいい格好をしていた。(44歳)
・今の子の服装はスーツだったりする。(43歳)
・子どもの小学校は制服がなかったので、卒業式は袴で出た。(47歳)
・まだ自分の子どもの卒業式は経験していませんが、今は幼稚園でも袴を着る子が多いようで驚きました。(26歳)
・最近、女の子の袴姿が多いなと感じる。(45歳)
【その他】
・来賓の挨拶が短かった。(45歳)
・子どもの卒園式はDVDをもらえた。(46歳)
・自分の卒業式は人数が多かったのですごく長く感じたが、子どもの時は適度な人数で良かった。(41歳)
・答辞や送辞がない。(40歳)
・卒業証書授与が体育館の壇上ではなかった。生徒が座る向きも歌も違った。(46歳)
・子どもの方は変化がないと思うが、出席する方はだいたい両親そろっていた。私が子どもの時は母親だけだった。(43歳)
・まだ卒園しかしていないが、謝恩会がド派手。結婚式並みの会費と派手さ。(37歳)
・卒業証書を母親のところに持ってきて、感謝の言葉を言うこと。(34歳)
・子どもの時は父兄の方を向いて歌ってくれて、とても嬉しく心に残った。(38歳)
・将来の夢を語ったこと。(35歳)
・1年の出来事をスライドショーにして振り返った。(33歳)
・子どもの数がとても少なく、親が多かった。(24歳)
・とてもフランクな形式になっていた。保護者がみんなスマホを構えていて不思議な光景だった。(29歳)
最後に「子育てにも「卒業」があると思いますか?」という質問を投げかけてみたところ、84%の方が「はい」と回答しました。

また、子育ての「卒業」のタイミングについて聞いてみたところ、1位は「成人(20歳)」(65票)という回答で、2位は「高校卒業(18歳)」(38票)でした。3位は年齢は特に指定せず「学校卒業・就職」(28票)するタイミングという回答でした。

それぞれの回答について、詳しく聞いてみました。
すると、最も多い「成人(20歳)」という回答を見てみると「法的にも1つの区切りなので」や「成人式が一応区切り」といった意見が見受けられました。選挙権が与えられたり、飲酒ができるようになるなど、公に大人として認められるタイミングなので、成人後は子ども扱いしにくいのかもしれませんね。
また、次点の「高校卒業(18歳)」と回答した方からは「働くにしろ、上の学校に行くにしろ、自分の意思や都合で生活を構成していくようになるから」という意見が見受けられました。3番目に多かった「学校卒業・就職」と回答した方からは「学生のうちはまだ自分の稼ぎがないので親が面倒をみるもの」という意見をいただきました。それぞれの家庭ごとに、色々な考え方があることがよくわかりますね。
※( )内回答者の年齢
【成人(20歳)】65票
・成人したら。法的にも1つの区切りなので。(41歳)
・そこからは自分の責任でやってもらいたい。(48歳)
・20歳。または子どもが社会人になった時。自分でお金を稼ぐようになったら、一人前だと思っている。(41歳)
・仕事を始めて責任感も出る頃だと思うので。(48歳)
・犯罪で捕まった時、名前が出るから。(39歳)
・成人式が一応区切りなのかなと思います。(32歳)
・口出しすべきではなくなる。(39歳)
・自立してある程度生活に慣れた頃だと思うから。(25歳)
・お金を稼げるようになったら。(29歳)
・家を出て働いたら卒業だと思う。(28歳)
・もう未成年じゃないから。(28歳)
【高校卒業(18歳)】38票
・最低、高校生までは親の管轄だと思います。大学生は社会人になる年齢なので、子育ては終わっていると思います。(42歳)
・その頃には自分で何でも決められるようになっていてほしい、という期待を込めて。(43歳)
・高校を卒業したらバイトも自由だし、働くにしろ、上の学校に行くにしろ、自分の意思や都合で生活を構成していくようになるので。(47歳)
・高校を卒業したら。自分は高校卒業したら一人暮らしをしていたので、なんとなく。(32歳)
・高校を卒業後の18歳かな、と思います。ここからいよいよ自分としての生き方が始まるところだと思うので。(36歳)
・18歳になって高校卒業したら、もう社会人だから。(27歳)
・高校を卒業するまでで一区切りな感じがする。(29歳)
・高校卒業までは衣食住に責任を持つが、それ以降は自立して欲しいと思っているから。(28歳)
・高校を卒業したら親元を離れることもあるので、目はかけるかもしれないが、手はかけないと思うから。(28歳)
【学校卒業・就職】28票
・学生のうちはまだ自分の稼ぎがないので親が面倒をみるものだと思うが、初任給を受け取った時点から子どもは同居していても1人の社会人として扱うべきだと考えているから。(44歳)
・子どもが就職して自立した時。学生の間は親の助けが必要な時があるから。(41歳)
・実際手がかからない、関わらなくていい、となるのは、学業などが終わるまでかなと思います。(31歳)
・「学生」という身分が終わったら。人から何かを学ぶのではなく、教える方の立場の第一歩だと思うので。(39歳)
・学生ではなくなった時。社会人になったら自己責任で。(28歳)
【その他】
・小学生まで。大体の地盤はできている。(29歳)
・15歳。義務教育が終わるから。(32歳)
・中学ぐらいまで?友達同士で勝手に遊びに行ってくれるから。(27歳)
・大学卒業まで。そこからは扶養義務も外れると思うので、1人の同等な人間として扱えるから。基本的に子どもは子どもなので、あくまでも子育ての卒業という意味では。(46歳)
・22歳、就職したら。生活費の面倒を見るのはそこまでだと思うから。(39歳)
・22歳、大学を卒業した時。社会人になるタイミングが大人のスタートだと思うから。(37歳)
・22歳。大学を卒業して、仕送りや学費の支払いがなくなったら。(36歳)
・22歳。大学に行くと考えたら、学費を払い終えるまでが子育てだと思う。(28歳)
・25歳。だいたいこれくらいで独り立ちしてくれるかなと思うから。(25歳)
・子どもが1人暮らしを始めた時。家にいる間は多かれ少なかれ世話をしないといけない。(47歳)
・年齢よりも、子どもが1人暮らしをするようになった時だと思う。一緒に暮らしていると結局色々と世話をしなければならないので。(29歳)
・結婚した時。就職しても自宅にいたら食事などの支度は減らないが、結婚だとひとまず家を出るから、お世話をする必要性はなくなる。(39歳)
・結婚するまで。家庭を持つまでは働いたりしていても、まだ卒業ではない気がする。(30歳)
・結婚するまで。新しい家族ができたら、本当の意味での責任が生じると思うから。(38歳)
・年ではなく、子どもを持ったら、だと思う。初めて親の立場で考えられるようになるから。(48歳)
子育てに「卒業はない」と回答した方からも意見をいただきましたので、
併せてご紹介します。
・生きている限り、子育て親育て。(40歳)
・子どもはいつまでも子どもだと思うので考えられない。(40歳)
・就職と結婚が子育ての区切りだと思うが、卒業はずっとしないのかなとも思う。(39歳)
・自分が死ぬまで終わりはないと思う。人生の先輩として教えることが何歳になってもたくさんあるから。(39歳)
・一生だと思います。悪いことをしたら叱りつけるのは一生親の役目だと思います。(29歳)


今回は「卒業」について調査してみました。
今回のアンケートで、小学校の卒業式の服装だけでなく、歌われる曲も変化しているということがよくわかりました。
とはいえ、学び舎を巣立ち、新しいステージへ進むという根幹は今も変わりません。子どもが胸を張って前に進めるよう、笑顔で送り出したいですね。
次回は「新入学・新学期」についてお届けします。お楽しみに。