このコンテンツでは、不二家ファミリー文化研究所が独自に行った、さまざまなアンケート調査の結果を、毎月皆さんにお届けしています。
今回不二家ファミリー文化研究所が行ったのは、中学生までのお子様がいる全国の20代〜40代の既婚女性210名を対象とした「家族と日々の暮らし2」に関するアンケート。日々の暮らしから見える「家族への想い」や「家族の絆」、ちょっとした「生活文化」などを調査結果とともに紹介していきます。
第11回は、「防災」についてです。

最初にみなさんに、防災対策を行っているか聞いてみたところ、72%の方が「はい」と回答しました。

前問で防災対策を行っていると回答した方に、具体的にどのような対策を行っているか聞いてみたところ、最も多かった回答は「非常食」(109票)で、僅差で「非常用ラジオ」(96票)が続きました。

次にみなさんに、災害時の行動を家族で決めているか聞いてみたところ、約半数の49.5%の方が「はい」と回答しました。

「いいえ」と回答した方に詳しく聞いてみたところ、決める必要がないと考えているわけではなく、まだできていないという状況の方が多いことがわかりました。
※()内 都道府県名/回答者の年齢
・ちゃんとは決めていない。今も防災リュックを用意しようと話は出ているが、実際に備えられてはいない。(広島/29歳)
・まだ話し合ったことはありません。(愛知/42歳)
・決めなきゃいけないね、と話して具体的なことは話していない。(北海道/29歳)
・学校で決めているので、家では特に決めていない。(宮城/38歳)
・特に決めていないので、決めなければいけないと毎日思っている。(千葉/44歳)
・話したことはあるが、確定していない。(鹿児島/32歳)
・特に話していないので不安です。(東京/28歳)
前問で災害時の行動を家族で決めていると回答した方に、具体的にどのようなことを決めているか聞いてみたところ、圧倒的に多かった回答は「避難場所」(71票)でした。

この回答について、さらに詳しく聞いてみましたのでご紹介します。
「避難場所」については、近所の学校などに集合すると決めている方が多数いらっしゃいました。また、災害が発生した瞬間の「緊急的な行動」については、今いる場所の指示に従う、高い場所に移動するなど、具体的な対応を話し合っているようでした。
※()内 都道府県名/回答者の年齢
【避難場所】71票
・まずは実家に避難して、そこから市役所に避難する。(茨城/29歳)
・家に集まる。もしくは、娘の学校に集まる。(北海道/32歳)
・近くの公共施設に避難と決めている。(埼玉/42歳)
・近くの神社に避難をする。(千葉/37歳)
・近くの避難場所に行くこと。逆に、途中に危ない場所がある場合は留まり、2階へ上がること。(広島/49歳)
・近所の小学校に避難することを決めている。(福井/35歳)
・災害の種類に応じて避難場所を決めている。(山口/28歳)
・自宅で落ち合えなかった場合の待ち合わせ場所を決めている。(岡山/48歳)
・地震が起きて大津波警報が出たらここに避難しようね、と話しました。(北海道/29歳)
・避難場所は決めてある。が、実際にそうなったら、不安。(新潟/38歳)
・高いところに逃げるなど、近所の避難場所を決めている。(大阪/36歳)
【緊急的な行動】19票
・全員固まって行動する。バラバラな時は避難所で合流する。子どもたちは先生の指示に従うこと。(北海道/28歳)
・とにかく子どもたちとペットを守る。(神奈川/29歳)
・とにかく自分の身の安全を確保して、海や川から離れる。(静岡/40歳)
・家の中なら、強度の高い所に移動。屋外なら、塀や壁、落ちてくる物がない所へ移動。(大阪/42歳)
・学校にいたら、学校の指示に従う。無理に移動せず、避難場所を確認しておく。 (東京/46歳)
・今いる場所に留まること。(東京/45歳)
・子どもといる時は、抱っことおんぶをフル活用して逃げる。(神奈川/30歳)
・大きい地震の時はすぐに家から出ること。(佐賀/36歳)
【その他】
・靴箱に1人ずつに合わせた避難バックを用意してあるので、それを持って学校に避難。(静岡/35歳)
・非常食、非常用物品の置き場所を共有。(大阪/35歳)
・リュック1-3まであるが、急な時は1のみ持っていく。(大阪/27歳)
・携帯会社の災害掲示板を活用。(大阪/39歳)
・すぐ連絡を取り合う。(東京/44歳)
・安否確認は回線パンクのしにくいSNSなどで行う。(奈良/39歳)
・子どもが保育園の場合は、情報確認し、親のどちらかが迎えに行く。職場等で無理なら、祖父祖母に依頼。(岡山/29歳)
・子どもを迎えに行く順番を決めている。(東京/34歳)
・大雪や大雨なら、無理せず仕事を休んで家にいる。(千葉/29歳)
次にみなさんに、災害に遭ったことがあるか聞いてみたところ、65%の方が「はい」と回答しました。

前の質問で災害に遭ったことがあると回答した方に、具体的にどのような災害に遭ったことがあるか聞いてみました。
最も多かった回答は「大地震(震度5以上)」(87票)で、僅差で「台風」(76票)が続いています。また「大雪」(47票)や「豪雨・洪水」(34票)と回答された方も少なくありませんでした。

続いて同じく災害に遭ったことがあると回答された方に、災害に遭った時にどのようなことで困ったのか聞いてみたところ、「ライフライン(電気/ガス/水道)が止まった」(53票)と回答された方が最も多く、以下、「いつもの交通手段が使えなかった」(20票)、「建物や家財などが破損した」(13票)、「物資が不足した」(13票)と続いています。

この回答について、さらに詳しく聞いてみたのでご紹介します。
「ライフライン(電気・ガス・水道)が止まった」方の回答を見ていくと、電気が使えず、食事にも困ったという声が複数ありました。水道に関しては復旧に時間がかかることが多いようで、中には1ヶ月以上も使えなかったという声もありました。
※()内 災害の種類/件名/回答者の年齢
【ライフライン(電気・ガス・水道)が止まった】53票
・エレベーターが止まって、外階段で7階まで登った。(大地震/東京/42歳)
・オール電化なので、電気が復旧するまでトイレが使えないこと。(大地震/熊本/45歳)
・豪雨になった時に、1ヶ月以上断水になりました。(豪雨・洪水/広島/49歳)
・停電して寒かった。おふろに入れない。料理もできない。(大地震/栃木/44歳)
・停電で冷蔵庫が使えなかった。携帯も使えず、情報が入ってこなくて現状がわからなかった。(台風/大阪/42歳)
・電気が使えない状態が1日以上続き、小さな子どもの食事に困った。(大地震・大雪・豪雨・洪水/北海道/29歳)
・電気が3日間つかなかった。水も2週間使えなかった。(大地震/茨城/43歳)
【いつもの交通手段が使えなかった】20票
・街路樹が倒れたり信号が壊れたりで、普段の道が通れなかった。(台風/大阪/39歳)
・公共交通機関が止まる。(台風・大雪/岐阜/34歳)
・台風による停電の時、大通りでも警察の交通整理はなく、事故が起こってもおかしくない状況での出勤だった。(大地震・台風/静岡/29歳)
・大雪で車が立ち往生。(大雪/山形/33歳)
・道が冠水して通れない所があった。(台風・豪雨・洪水/岡山/29歳)
・道が雪で埋まって除雪が追いつかず、大渋滞していた。 (大雪/富山/41歳)
【建物や家財などが破損した】13票
・ガラスが割れたけれど、なかなか直せなかった。(台風・雹/千葉/32歳)
・近所の物が飛んでくる。(台風/京都/24歳)
・向かいの家が火事で全焼した時、その家の方向の窓ガラスが全部割れました。(火災/埼玉/38歳)
・庭のフェンスが倒れた。(台風/愛知/24歳)
・隣の瓦が飛んできたり、カーポートが飛びそうになっていた。(台風・豪雨・洪水/兵庫/32歳)
・隣の倉庫のガラスが割れて、車に飛んできた。(台風/鹿児島/32歳)
【物資が不足した】13票
・岩手で大震災を経験しましたが、ガソリンが無く、夜中から並んで購入しました。スーパーに食材も無くなり、困りました。(大地震/宮城/38歳)
・特定の食品が入手困難になったこと。(大地震/奈良/44歳)
・物流が途絶え、スーパーから食べ物が消えた。(大地震/東京/46歳)
・米が買えなかった。(大地震/千葉/48歳)
【その他】
・当時は一人暮らしだったので、とても心細かった。(大地震/神奈川/30歳)
・携帯のアラームが夜中に鳴り、子どもが怖がって眠れませんでした。(豪雨・洪水/岡山/48歳)
・自宅は特に被害はなかったが、初めての大きな揺れにかなりパニックになった。その後しばらく不安だった。(大地震/東京/28歳)
・離れて暮らしていた家族と連絡が取れず、とても心配で気が気ではなかった。(台風・大雪/神奈川/29歳)
・学校や幼稚園に行く途中だったので、子どもたちや家族の把握に時間がかかった。(大地震/大阪/42歳)
・通信ができず、家族との連絡が取れなかったこと。(大地震・台風/茨城/29歳)
・常に雪かきをしなければ、車が出せない。(大雪/石川/27歳)
・雪を片付けてもすぐに積もる。(大雪/新潟/36歳)
・大雪で除雪が追い付かなくて、雪かきや雪降ろしが大変。(大雪/福井/35歳)
・大雪の時はホワイトアウトで前が見えず、家の中に缶詰で食料を買いに行けず困りました。(台風・大雪/北海道/28歳)
・風で家が壊れそうで、外に出られなかった。(台風/大阪/37歳)
・自宅のガスメーター自体が緊急停止していたので、すぐに復旧したはずのガスが使えなかった。自分でボタンを押して再稼働させるということがわからなくて困りました。(大地震/大阪/36歳)
・洪水で家に帰れなかった。(豪雨・洪水/徳島/34歳)
・子どもの学校がしばらく休校になった。(豪雨・洪水/広島/42歳)
・豪雨の時に、家の中の水が流れなくなり、トイレにも行けなかった。(豪雨・洪水/佐賀/36歳)
次にみなさんに、災害時に防災グッズを使ったことがあるか聞いてみたところ、27%の方が「はい」と回答しました。

最後に、前問で災害時に防災グッズを使ったことがあると回答された方に、役に立ったグッズを聞いてみたところ、最も多かった回答は「ライト(懐中電灯)」(23票)でした。照明道具は他にも「ランタン」(5票)、「ろうそく」(4票)が挙げられています。まだ防災グッズを備えていない方は、まずは照明から揃えてみても良いかもしれませんね。



今回は「防災」について調査してみました。
この調査では、65%の方が何らかの災害に遭ったことがある、という驚きの結果となりました。もちろん、この中には実害が全くなかった方も含まれていますが、災害は誰にでも起こり得るもの、という現実を突きつけられたような気がします。
まだ何も防災対策を行っていないという方は、防災マップの確認から始めてみてはいかがでしょうか?自治体のWEBサイトなどで簡単に見ることができますし、家族で話し合うきっかけとなるかもしれません。
災害を必要以上に恐れる必要はありませんが、大切な家族を守れるよう、最低限の備えだけはしておくと安心できますね。
次回は、「ケーキ」についてお届けします。お楽しみに。