今回からの「ERIKO&ペコちゃんの旅」は、日本から18,000km以上離れた、南米アルゼンチンです。
アルゼンチンといえば、サッカー選手のマラドーナやメッシなどのスーパースターを生んだ国、もしくはタンゴを思い浮かべる
人も多いのではないでしょうか。また、南米最高峰6,980mのアコンカグア山があるのも、このアルゼンチンです。
アルゼンチンの国土は、なんと日本の約7.5倍!
そこに日本の人口の約3分の1に当たる、約4,300万の人々が暮らしています。
首都は“良い空気”という意味の“ブエノス・アイレス”。
南米のパリと言われるほど街並みは美しく、ヨーロッパを思わせるような歴史的建造物が街中にあふれています。
南米というと年間を通して暑いというイメージがあるかもしれませんが、日本と同じように四季があります。
例えばブエノス・アイレスの場合、真冬に当たる7月(南半球なので日本とは逆の季節)の平均最低気温は7.4℃。日本よりは暖かいものの、時には雪が降ることもあるのです。
そんなアルゼンチンの魅力の1つは、景観のコントラストのバリエーションが非常に多い、ということです。
北部から南部までの距離が約3,800kmもある縦に広い土地のため、それぞれの地域で気候、景色、文化や人々の生活スタイルが大きく異なります。
中央部には、半径600kmもの広大な半円形を描く、大平原パンパ。西側には、最高峰アコンカグア山などの高い山々が連なるアンデス山脈。
北部の亜熱帯雨林には世界三大瀑布の1つイグアスの滝があり、南部のパタゴニア地域では、氷河に山、湖、砂漠にも出会うことができます。
今回ペコちゃんと私は、南部のパタゴニアと呼ばれる地域と、北部のサルタ州を旅して来ましたのでご紹介します。
◆ 南部 パタゴニア
パタゴニアとは、南緯40度付近を流れるコロラド川より南側の地域、つまり南米大陸の南端の呼び名です。
パタゴニアを旅するのに必要なのは……、そう、体力!
チリとアルゼンチンの両国にまたがっているこの地域だけでも日本の約3倍の面積があるので、場所を移動するにも長距離移動になります。
今回訪ねたロス・グラシアス国立公園があるエル・カラファテから、世界最南端の都市ウシュアイアに飛行機を使わずに向かおうとしたら、バスや船を乗り継ぎ20時間程もかかってしまうのです。
“風の大地”と呼ばれるほど強い風が吹くこの土地は、その風によって独特な地形が作られてきました。
私がパタゴニアへ足を運ぶのはこれで3回目ですが、人を寄せ付けないほどの強風が吹き荒れる厳しい環境であっても、何か人々を惹きつける魅力を持っている不思議な土地です。
見どころは数えきれないほどありますが、中でも印象的だったのは、世界遺産に指定されているロス・グラシアス国立公園内にあるペリト・モレノ氷河。
南極大陸、グリーンランドに次ぐ大きな氷河として有名なペリト・モレノ氷河ですが、地球上で後退・縮小していない希少な氷河としても知られています。
クルーズ船に乗って間近で氷河を見ることもできます。
夏には氷河の崩壊が起こるのですが、私とペコちゃんの目の前でも氷河の一部が崩れ、その様子を見ることができました。小さな崩壊でしたが、ビルが崩壊するような凄まじい音で、まるで巨大な生き物を見ているようでした。
◆ 北部 サルタ
次は北部のサルタ州です。
乾いた大地に大きなサボテン、アンデスの山に生息するリャマが走る姿など、同じ国内とは思えないほど、南部とは対照的な光景が広がっていました。
住んでいる人々はアイマラ族やケチュア族の末裔など、ペルーやボリビアのアンデス地域で見かけるモンゴロイド系の先住民族が多いようです。
おすすめはサルタ市とポルボリージャ鉄橋を往復する“Tren a las nubes”(雲の上の列車)です。標高4,220mを走る、まさに空中散歩が楽しめる列車で、片道8時間ほどの乗車になりますが、次々と変わる景色に圧倒されて飽きることがありません。
サルタ州の隣にあるフフイ州へ足を延ばすと、広大な塩湖を見ることができます。
標高約3,454m地点にある、サリーナス・グランデスです。
白い塩の平原と、青い空。そして、その青を映してエメラルド色に輝く塩田プール。そのコントラストの美しさに、思わず見とれてしまいます。
近年、観光地としても人気の高い塩湖ですが、このサリーナス・グランデスはあまり周知されていない秘境とも言える場所で、観光客はそれほど多くありません。
大自然を独り占めしながら、ゆったりと贅沢な時間を楽しみたい方には、ぜひとも訪れていただきたい特別な場所で
す。
ERIKO(エリコ)
モデル・定住旅行家
鳥取県出身。東京コレクションでモデルデビュー。高校在学中、語学留学のためイギリス、アメリカ合衆国に滞在。高校卒業後、イタリア、アルゼンチン、ロシア、インドで語学習得のための長期滞在をきっかけに、様々な土地に生きる人達の生き方や生活を体感することに興味を抱き、スペイン語留学で訪れたアルゼンチンでの生活をきっかけに、ラテンの地と日本の架け橋になるという目的を持って、2012年から1年4ヶ月をかけて中南米・カリブ25ヶ国を旅する。現在モデルと並行し、「定住旅行家」として、世界の様々地域で、現地の人々の家庭で暮らすように旅を続け、人々の生活や生き方を伝えている。NEPOEHT所属(モデル)であり、雑誌、CM、企業講演、トークイベント、国内外TV、ラジオなどメディア出演多数。著書に「暮らす旅びと」(かまくら春秋社)。また、内閣府平成28年青年国際交流事業の効果検証に関する検討会委員。観光庁「若旅★授業」講師。とっとりふるさと大使。米子市観光大使。国際協力機構JICA「なんとかしなきゃ!プロジェクト」著名人メンバーなども勤める。

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