今回訪ねたのは、中国とインドに挟まれた南アジアの小さな国、ネパール。
日本人にとってネパールは、聞き慣れた国名でありながら、なんとなく遠いような感じがしてしまう国かもしれません。
ネパールの国土面積は北海道の約1.8倍、緯度は奄美大島とほぼ同じです。
世界最高峰のエベレストを含むヒマラヤ山脈がある国なのでとても寒いイメージを持たれがちですが、標高が低いところは高温多湿で、四季もあります。6月〜9月の雨季(モンスーン)の時期は、まるで日本の梅雨のように雨の日が続きます。
ネパールを旅していると、ここに住む人たちの顔の雰囲気が様々であることに気が付きます。
それもそのはず。ネパールは100以上の民族と93言語以上を抱える、多民族国家なのです。
日頃からたくさんの言語に囲まれているネパール人の多くは、自分の民族の言葉と公用語のネパール語に加えて、英語まで使いこなしてしまいます。
言語も違えば宗教や習慣も異なる人々が、人口2,650万人の小さな国に同じネパール国民として暮らしているという光景は、日本にいるとなかなか想像できないかもしれませんね。
日本人の多くはネパールに対してあまり馴染みがないように感じているかもしれませんが、皆さんも一度はネパール人に出会ったり、気が付かないうちにすれ違ったりしていると思います。
なぜなら、日本には5万人を超えるネパール人が住んでいるからです。
ネパールは1990年代から続く政治的混乱の影響で国内の雇用機会が減ってしまい、海外への出稼ぎ労働者が増え続けています。私たちの住む日本にも、働く場所を求めて多くのネパール人がやって来ています。
また、日本はネパールにとって初めての海外留学先でもあります。日本がネパール人留学生を受け入れた歴史は1902年からとたいへん古く、今もたくさんのネパール人が日本で勉強しています。
接点はまだあります。
ネパールでは、NHKで放送されていた連続テレビ小説「おしん」が大人気!
「おしん」は1992年にネパールで初めて放映された国際ドラマです。「おしん」の境遇が多くのネパール人の生活と重なって共感を呼び、最高視聴率80%という驚異的な人気を呼びました。
私たちの想像以上に、ネパール人は日本に親しみを感じてくれているのかもしれませんね。
私とペコちゃんが訪れたネパールの首都カトマンズは、標高1,400mの盆地にある、人口100万を超える大都市です。
2015年に大きな地震があったことで覚えている方もいらっしゃると思います。市街地にはまだ所々に大地震による被害の爪痕が残されていました。
けれども、地震で失ったものを振り返って悲しみに暮れているような人はほとんどいません。カトマンズに住む人々は、自然が起こした現実を受け止めて、前向きに力強く生きています。
ネパールには「カースト制」と呼ばれる身分制度があります。
今回滞在させていただいたブハンダリさん一家は、「ブラフマン」と呼ばれる一番高い位の家系です。
お父さんのリシさん、奥さんのマヤさん、そして娘のバーサちゃん(9歳)とリトゥちゃん(6歳)の4人家族で暮らしています。
リシさんは旅行会社を経営していて、自宅がオフィスと兼用になっているそうです。
左の写真で私が着ているのは、ネパールの女性が日常的に身に付けている「クルタ」と呼ばれる民族衣装です。風通しが良いのでとても涼しく、暑い時期に最適でした。もしかすると洋服よりもずっと機能的かもしれません。その土地の民族衣装を着てみるのは、旅の楽しみの1つですね!
ちなみに日本でも有名な「サリー」は、特別な時に着るものだそうです。
カトマンズの1日のスタートは驚くほど早く、朝4時頃、鶏の鳴き声と共に起きると、「プージャ」と呼ばれるお祈りが始まります。街のあちこちからお祈りの声が聞こえてくるので、否が応でも早起きになってしまいます。
ネパールの人たちの昼食は、「ダル・バッド」と呼ばれるカレーです。「ダル・バッド」はネパールの伝統的な国民食で、昼食だけでなく夕食にも食べられています。
とろみのないスープのようなさらさらのカレーを、タイ米に似た細長く粘り気のないご飯と一緒に、手でつまんで食べます。
私も思い切って、手で食べてみました。最初は口に運ぶまでにポロポロとこぼしてしまいましたが、慣れてくるとうまくつまめるようになり、スプーンで食べるよりもずっとおいしく感じました。
いつも仕事で忙しいお父さんのリシさんですが、家族と一緒に過ごす食事の時間をとても大切にしている、と話してくれました。
家族と過ごす時間や子どもたちの笑顔が、リシさんの仕事の糧となっているのですね。
ERIKO(エリコ)
モデル・定住旅行家
鳥取県出身。東京コレクションでモデルデビュー。高校在学中、語学留学のためイギリス、アメリカ合衆国に滞在。高校卒業後、イタリア、アルゼンチン、ロシア、インドで語学習得のための長期滞在をきっかけに、様々な土地に生きる人達の生き方や生活を体感することに興味を抱き、スペイン語留学で訪れたアルゼンチンでの生活をきっかけに、ラテンの地と日本の架け橋になるという目的を持って、2012年から1年4ヶ月をかけて中南米・カリブ25ヶ国を旅する。現在モデルと並行し、「定住旅行家」として、世界の様々地域で、現地の人々の家庭で暮らすように旅を続け、人々の生活や生き方を伝えている。NEPOEHT所属(モデル)であり、雑誌、CM、企業講演、トークイベント、国内外TV、ラジオなどメディア出演多数。著書に「暮らす旅びと」(かまくら春秋社)。また、内閣府平成28年青年国際交流事業の効果検証に関する検討会委員。観光庁「若旅★授業」講師。とっとりふるさと大使。米子市観光大使。国際協力機構JICA「なんとかしなきゃ!プロジェクト」著名人メンバーなども勤める。

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